東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1052号 決定
〔主文〕申立人らが別紙記載の改築をなすことを許可する。申立人らは相手方に対し金三二万九、〇〇〇円を支払え。
〔理由〕一、申立の要旨
申立人らは相手方から賃借中の東京都板橋区大谷口二丁目二二番一一宅地四三四平方米(131.44坪)に別紙記載の三棟の建物を所有しているが、そのうち別紙一の(二)の建物一棟を同記載のとおり改築しようと計画したところ、相手方は承諾の条件として坪あたり一万円、四五坪分として計四五万円を要求し、申立人としては承諾料は不要と考えるのでこの点につき協議が調わないので本件申立におよんだ。
二、鑑定委員会の意見の要旨
本件改築は土地の利用上相当であり、財産上の給付額としては四一万一、七四〇円が相当である。その理由は次のとおりである。本件借地契約の期間は昭和五八年六月三〇日までであるが、本件改築に伴い改築の時から約二〇年になるように借地期間を七年延長し、昭和六五年六月三〇日までに変更することを前提とし、財産上の給付額は更新料慣行を参考とし、これに準じて算出することが相当である。本件借地の更地価格は3.3平方米あたり一六万円、借地権価格はその七割借地期間二〇年延長に対する更新料は借地権価格の八%とし、本件では七年延長として右更新料に二〇分の七を乗ずると前記財産上給付額が得られる。なお本件借地を建物の配置状況に従つて三分割する場合は、本件改築建物の敷地部分の更地価格は3.3平方米あたり一五万円として、前記と同様の計算方法により財産上の給付額は一二万七、七〇〇円とするのが相当である。
三、当裁判所の判断
本件改築は土地の通常の利用上相当であり他にこれを不当とすべき事情はないと認められるので、これを許可することとする。財産上の給付については、昭和三八年七月一日本件借地契約について、同日から五年以内に建物を増改築するときはその敷地について坪当り四、〇〇〇円の割合による承認料を支払うものとし、五年経過後においてはその都度協議決定する旨約定され、昭和三九年に別紙一の(三)建物が建築された際には右約定に従つて、その敷地を四五坪として一八万円が支払われた経緯があること、改築建物の敷地が本件借地の約三分の一であること、附随処分に関する前記認定鑑定委員会の意見、当事者双方の意見等を総合考慮し、本件においては全借地面積の三分の一の更地価格(鑑定委員会の意見による中央画地の価格三、三平方米あたり一五万円)の約五%にあたる三二万九、〇〇〇円を相当と認める。(白石悦穂)
現存建物および改築の内容
一、現存建物
(一) 家屋番号三五一番一〇
木造瓦葺平家建居宅五〇、三二平方米(一五、二五坪)
(申立人町田照子所有)
(二) 家屋番号三五一番一一
木造瓦葺平家建居宅五〇、三二平方米(一五、二五坪)
(申立人町田ミツ子所有)
(三) 家屋番号二二番一一の一
木造瓦葺二階建共同住宅
一階 七八、三八平方米(二三、七五坪)
二階 七三、四二平方米(二二、二五坪)
(申立人両名共有)
二、改築の内容
右一の(二)の建物をとりこわし、その敷地に木造セメント瓦葺二階建居宅、床面積は建築基準法の許容範囲内のものを新築する。